講座紹介
母性看護学演習
母性看護学演習では、妊娠期から産褥期(産後)、新生児期にある母子への看護について、実践的に学んでいます。
演習では、妊婦健診や授乳指導、分娩後の褥婦(産後のお母さん)や新生児の観察・アセスメントを通して、それぞれの時期に必要な看護について理解を深めました。
学生は、母子から得られた情報をもとに状態を把握し、必要な看護を考えながら演習に取り組んでいます。
演習を通して思考力と実践力を養い、臨地実習に向けて母子の健康を支えるために必要な知識と技術を段階的に身につけていきます。

<妊娠期>
妊娠36週の妊婦健診の場面
【助産師】
こんにちは、前回の健診からお変わりはありませんか?
【妊婦】
はい、おなかが時々張るくらいですかね・・・(すこし顔が曇る)。
【助産師】
そうですか、母子手帳をお預かりします。尿検査と体重測定をお願いします。
【解説】
妊婦が心配そうな表情で腹部の張りを伝えているのに、助産師はその言動や表情に対して何の応答もせず、腹部の触診をしています。
妊娠後期の妊婦健診では、分娩が近づいていることを示す身体的変化をアセスメントし、異常の有無を確認するとともに、出産予定日が近づくこの時期特有の変化や妊婦の不安に適切に対応することが求められます。
学生さん達の目に、この場面での助産師の対応は、どのようにうつっているでしょうか?

<産褥期>
産後1日目の褥婦さんへの検温の場面
【助産師】
おはようございます。今から検温をします。体温と血圧を測らせていただきますね。昨日はお疲れになったので、きっとよく眠れましたね。お小水は何回くらい行かれましたか?お通じはありましたか?
【褥婦】
…。はい。
【解説】
産後1日目の褥婦さんに、「ご出産おめでとうございます」の声かけもありません。助産師の一方的な話しかけに、褥婦さんは何も言えません。

初めての授乳指導の場面
【助産師】
赤ちゃんの頭を右手で支えて、左手でご自分のおっぱいを支えてください。赤ちゃんのお顔をお母さんのおっぱいの方に向けて赤ちゃんがお口を開いた時に吸わせてください。
【褥婦】
助産師をまねてやってみるが、不安そうな表情をしている。
【解説】
初産婦さんにとって、授乳は至難の業です。学生さんは、授乳の方法だけでなく、お母さんの気持ちを考えることができているでしょうか。

新生児への検温の場面
【学生】
(学生指導担当の看護師に)「今から検温してもよろしいでしょうか」と確認し、検温を始めました。
【看護師】
学生さんの動きをじっと見ています。
【解説】
これまでの実習では成人患者への検温を経験していますが、新生児に触れることも、検温を行うことも今回が初めてです。そのため、学生さんは緊張のあまり、新生児への声かけを忘れたまま検温を始めてしまいました。目の前にいるのは「検温の対象」ではなく、一人の人格をもつ新生児です。対象者を尊重し、安心感を与える関わりや安全・安楽への配慮を常に心がけることが大切です。
この授業では、実演でしか伝えられない臨場感を大切にし、オリジナル教材を用いて妊婦健診、褥婦の検温、授乳指導、新生児の検温などの場面を演劇化したシミュレーション授業を行っています。
教員は、実習で出会う母子を具体的にイメージしながら学ぶことが生命を大切にする態度を育み、知識と体験を結び付けることにつながると考えています。
そのため、学生一人ひとりが主体的に考え、いきいきと楽しみながら学び、知識と実践を結びつけられる授業づくりを目指しています。
演劇では、最初の場面設定を、あえて、看護者としての不適切な対応を含む場面として設定し、学生に「どの対応が不適切なのかを考えてもらいます。
学生は「間違い探しゲーム」の感覚で、楽しみながらその場面に潜む問題や課題を見つけ出していきます。
その後、グループにわかれ、それぞれが見つけた不適切な対応やその改善策について話し合い、グループメンバーで学びを共有します。
このような参加型の学習を通して、母子に必要な看護への理解を深めるとともに、主体的に学ぶ姿勢を育んでいます。
フィールドワーク
(社会参加)
フィールドワーク(社会参加)を通して献血の意義を学ぶ−岐阜献血ルーム アクティブGを訪問しました
本授業は、本学看護学科における初年次教育として位置づけられた1年次の必修科目です。「学生自らが地域の一員であることを自覚し、自分にできることで地域に貢献する方法を考え、社会参加につなげること」を目的としています。
学生は小グループに分かれ、それぞれがテーマを設定し、地域でのフィールドワークを通して学びを深め、その成果を発表しました。
母性看護学講座のグループは、「献血」をテーマに、岐阜市の献血ルームを訪問しました。
施設の見学や職員の方々からの説明を通して、学生は「献血は気軽にできるボランティア活動というイメージがあったが、献血者と輸血を受ける患者双方の安全を守るために、さまざまな基準や取組があることを知った」と振り返りました。
また、「献血を継続するためには、自分自身の健康管理が大切であり、日頃から生活習慣や体調管理を意識する必要があることを実感した」「今回の体験を家族や友人に伝え、献血への理解を広めていきたい」といった感想も聞かれました。
今回のフィールドワークを通して、学生は献血が命をつなぐ医療活動であることを理解するとともに、自らが地域社会の一員として貢献できることを考える貴重な機会となりました。


保健医療学部看護学科2年生が「母性看護学概論」の課題学習としてポスター発表を行いました。
「母性看護学概論」は妊娠・出産・子育てを含め「女性の一生涯にわたる健康課題」について考えを深める科目です。
自分が興味を持ったテーマについて、同じ興味・関心を持つ仲間と共同学習を行い、その成果をポスターにまとめます。
テーマは、十代妊娠、更年期障害、女性の癌など生殖期から高齢期に至るまでに女性が直面する健康課題のほか、乳幼児虐待、DV、LGBTQ、性感染症など、現代社会におけるセクシャルヘルスやリプロダクティブヘルス上の課題を含めた12の課題から一つ選択し、幅広い視点から考えを深める探究的学習を行います。
発表会ではポスターを学生同士で評価し合い、優れていると評価したポスターに投票します。2026年度は、「更年期障害は”個人の問題”なのか?!」「DV被害者が抱える問題と看護支援」「誰もが安心して子育てできる社会へ;乳幼児虐待の国際比較と日本の予防策における課題」の3グループが「優秀賞」に選ばれました。




本学ではグローバルな視点を持った看護学生の育成や国際交流に力を入れています。病院や地域での実習で看護学生が外国人を受け持つ機会も増えてきました。日本人のお母さんでも不安が多い初めての育児。異国の地で出産を迎える在留外国人のお母さんは なおさらです。
このような状況から、看護学生が実習現場の変化に対応できるよう、「母性看護学概論(看護学科2年次科目)の授業で、『はじめて赤ちゃんに授乳するって思ったよりも難しい?!』 と題して、演劇風のロールプレイを行いました。
本学の国際看護学担当のエレーラ先生が、外国人のお母さん役、母性看護学教員が助産師、看護学生(4年生)が初産婦と学生役を演じ、病院での実習場面を再現しました。それに引き続き、外国人の患者さんが日本で医療を受ける時、どんなことに困っているのか、私たち医療者にどのような知識や態度が必要か、県内の外国人人口が増えていること、困っている外国人を見かけたら、臆せず、「やさしい日本語」で話しかけましょう、など、エレーラ先生からミニ・レクチャーしていただきました。


<写真は 岐阜県立池田高等学校からの生徒さんが、朝日大学保健医療学部看護学科に実習体験にお見えになった時のもの(2024年7月)>
